雑に感想メモ「仮面ライダーギーツ(28話~)」

28話「慟哭IV:絆のレーザーブースト」脚本:高橋悠也、監督:坂本浩一

アクションシーンの演出にいろいろ工夫があって面白かった。

坂本監督と言えば素面のアクションは言わずもがなだけど、変身後のアクションもカメラの視点動かしたりとかでユーモアのある画を作ってくれる印象。

どういう効果があるのかはよくわからんけど、目を引くものがある。

着ぐるみ着て戦うだけじゃなくて撮影方法の工夫とかも特撮の醍醐味だから、積極的にいろんな手法を使ってほしい。

 

レーザーブーストは重力操作もついて純粋にマークⅡの上位互換って立ち位置っぽい。

でもマークⅡ初登場時は盛り上がったし、デザインも前の方が好きだからどうにかして再登場してくれると嬉しい。

レーザーの方はジーンと共有みたいだから、ジーンが再登場したらチャンスか。

正直5回分の願いを使って生まれた力なのに、肉体に負荷がかかりすぎるのはなんか納得いかない気持ちもある。

未来人の技術で使いこなせる肉体に改造するって理屈は良かったけど、マークⅡ単体だとリスクとリターンがつり合ってないというか、これはちょっと詐欺だな。

その分レーザーブーストには頑張ってもらいたい。

 

ジーンはしばらく出てこないっぽい。

正直中の人が有名すぎて見てて雑念が湧いてくるので、ここらへんでいったん区切りをつけてくれるのは個人的にはありがたい。

悪い奴じゃないんだけど、現代人との価値観の違いから生まれる絶妙な気持ち悪さがあるキャラだった。

最後に英寿に気に入ってもらえたみたいで良かったね。

デザインされた人生だからこその現代人とのすれ違いが、死を実感したことで解消されるという顛末はなかなか妥当。

結果的にデザイン能力がジーンには不要になって、英寿に譲渡された形になった。

こう考えるとマークⅡ誕生からの一連の流れが全部つながってて気持ちがいい。

やっぱりギーツは話づくり上手い。

 

今回は素面アクションもあって役者の力も目立った回だった。

ジーンの涙がなくなった設定とか、ベロバの350歳設定とか、未来人の突飛な設定がちゃんと成立してるのすごい。

戦国ゲーム仕様の衣装チェンジも面白かった。

 

29話「慟哭V:サプライズ!闘牛ゲーム♡」脚本:高橋悠也、監督:杉原輝昭

デザグラから生まれたみたいなことは示唆されてきたけど、死んだ娘の代わりというかなりえぐい設定だった。復活じゃなくて代わりなところは親父のこだわりなのか、この際もっと理想の娘が欲しいってなってたなら相当壊れちゃってるな。景和の願い的に復活は問題ないはずなんだけどね。それに関連して存在自体が偽りな祢音の誕生日がエイプリルフールなことが展開上意味を持ってて驚いた。リアルタイムのイベントをうまく利用できるのも1年続くニチアサの強み。いいタイミングで設定開示するな。若干オーディエンスの民度が気になったけど。わかりやすくデフォルメされた結果なんだろうが未来人のくせに全然民度発達してないじゃんって思った。

アクション的にはリボルブオンの上下入れ替えが反映されてるところとか、レーザーブースト変身時の所作に怒りがこもってるところが特に気に入った。

 

30話「慟哭Ⅵ:手紙の中の王子様」脚本:高橋悠也、監督:杉原輝昭

キューンは独特の気持ち悪さから敵キャラとして見ていた節があったので、正直何かしら痛い目を見てほしいという思いが強くて今回はノレなかった。ただ公式サイトを見てキューンの精神年齢がかなり幼く設定されてるらしいので、それを踏まえるとちょっと印象が変わるかもしれない。今までのはキモオタのそれではなく、思春期のそれだと解釈しなおさなくてはならない。未来人の設定がまだまだ想像しきれていないが、精神の方はデザインしきれなくて何でもかんでも思い通りってわけじゃないのかも。特に他者と関わるときはそれが顕著に表れている。難しいけど、やっぱりキューンを応援する気にはなれないなあ。身も蓋もない言い方をすると変則的なおねショタってことだと思うんだけど、追っかけキャラが結ばれるってのは話として妥当じゃない気もするんだよね。

鞍馬家は本格的に壊れてて、父親の方は娘ではなく会社を大きくするための道具として祢音を見ているらしい。だったら直接会社を大きくする願いを叶えてもらったら?とも思うけど、娘の死を乗り越えるもしくは逃げ切るための儀式みたいな意味合いもあったのかもしれない。以前登録者1000万人はやりすぎだと思ったけど、願いの力で生まれた娘ならそれくらいできる能力は備わってそう。祢音は結局キューンの励ましを受けてなんとか立ち直ったけど、問題は山積みって感じだな。両親とどう決着をつけるか期待する。できれば仲直りというか、新しく希望のある関係を築いてほしいな。キューンはまあ、愛と言っても色々あるし、恋愛方向にはいかないと信用して応援することにしよう。最後には元気にインフルエンサーやってる姿が見たい。そこに本当の愛を見出してほしいよ。

道長は運営に矛を向けるべきだということは理解していたみたいなので、最後は元凶を倒してスッキリ終了って未来も見えてきた。創世の女神に近づいてどう物語が動くのか楽しみ。あと大智くんがだいぶ馴染んできたけど、彼はどういう役割を担うんだろうか。

おそらく次がラストゲームかつ景和とケケラにフィーチャーした話になるんだろうけど、こう考えると景和は大体最終回で見せ場があるな。

 

31話「慟哭Ⅶ:天国と地獄ゲーム♡」脚本:高橋悠也、監督:田﨑竜太

ゲームの内容が思いっきり一般人を犠牲にしてくるタイプだから、大勢の不幸の上に一人の勝者の幸福が成り立つというデザイアグランプリの本質が浮き彫りになっていいね。最初はただのバラエティ要素だと思ってたけど、縦軸の展開とリンクしてるような巧さがあるとけっこう面白い。追い込まれた女子高生が他人を蹴落とす描写も皮肉的で良かった。ただ他人を蹴落とせるルールなら事前にそう言っておいた方が葛藤生まれて面白かったと思うけど、まあそれは来週やるのかな。

ジャマトグランプリはやり方が露悪的なだけでやってること自体はデザイアグランプリと大差ないから、つられてデザグラ自体の印象も悪くなってくるのも展開的に上手いと思う。幸福を奪い合うシステム自体は否定しないけど、無関係の一般人を巻き込むのはさすがに印象悪すぎるし、それを娯楽として消費するのも度し難い。英寿自身には罪はないと思うけど、自分を生むためにこのシステムが生まれたんだとしたら流石の英寿でも曇るわな。

あと大智くんが縦横無尽すぎて面白い。英寿の出自教えてもらったら速攻本人に暴露しに行ってるし。アルキメデルにちょっと引いてたけど、かなり近いものを持ってるみたいだし、半分退場したアルキメデルの後継者みたいな役割を担っていくのかな。早いところいい感じのポジションに腰を落ち着けてほしい。

 

32話「慟哭F:最後の審判」脚本:高橋悠也,監督:田﨑竜太

大智くんがベロバと一緒に腕組んでアルキメデル責めてるシーンが面白かった。もう完全にそっち側になってるじゃん。別に興味本位でやってる大智くんからしたらアルキメデルを責める理由ないと思うんだけどな。

バッファはわざと勝たされてドライバー奪われちゃったけど、マグナムブースト相手にゾンビ一本で対抗してたのは結構すごいと思う。ジャマトバックル使った方がしっくりくる局面だったと思うが、多分素体から強化されてるんだろう。ベロバとの関係もいい感じにかみ合ってて好き。

ギーツは母親のために運営と完全に敵対して、また話のジャンルが変わりそう。地味にブーストマークⅡも結構出番があってよかった。ゲイザーのファンネルをごり押しで破るところとかかなりぐっと来たね。ギーツの強さはグレア以上でゲイザーと同格って考えると終盤だなって感じがする。最後バッファに不意打ちで倒されたみたいに見えたけど、よく見たら天国と地獄ゲームのエリア外に出されて失格って描写みたい。やっぱりパワーバランスには大分気を使って描いてるなギーツは。

 

33話「慕情Ⅰ:バッファ無双!」脚本:高橋悠也 監督:中澤祥次郎

完全にラスボス仕様で無双するバッファに対して、ギーツがいないと⋯って描写を散々した後でギーツもバッファに加担して運営潰しに走りそうな雰囲気で全く先が読めない。ギーツとバッファで目的同じだとは思ってたけど、予想よりテンポ早いというか、バッファが悪役っぽい描かれ方してるから驚いた。ゲイザーも消えたしこれ以上誰を倒すのって感じだけど、運営側にもまだ戦力があるんだろうか。ヴィジョンドライバーは2個しかないんじゃなかったっけ?なんか冬映画でもやってたデザイアロワイヤルがなんなのかわからないけど、まだまだ面白くなりそう。ツムリも感情的にギーツ側によってるところあるから今後が気になる。

バッファは使ってるバックルは初期仕様だけど、素体が強くなってツノとマントが追加されて凶悪な見た目になった。ジャマト組の強化バックルとかあっても良かった気はするが、こういう強化も他とは規格外って感じがしてアリだな。ノーダメージなの強すぎて誰も勝てる気しないんだけど、ライダー以外なら太刀打ちできるとかだろうか。やってることもライダーコアぶっ潰して変身能力奪うだけで、徹底的に運営を標的にしてるからかなり応援できる。以前まではちょっと八つ当たり感があったが、祢音には気配りできる分別はあるし、芯が通ったダークヒーローしてる。不幸が大好きなベロバと自己矛盾のせいで一向に幸せになれない道長の関係もいい。

あとジーンが変身するときのキツネの手を見る視線がすごく感情こもっててよかった。

 

34話「慕情Ⅱ:ギーツの矛先」脚本:高橋悠也 監督:中澤祥次郎

これまで本当に30分か?っていうくらい濃密な展開が続いていたから、今回はちょっと終わるのが早く感じた。景和に注目するとけっこう話動いてるんだけど、やっぱりギーツかバッファ派だな俺は。

OP見るに二人が手を組みそうな雰囲気はあるんだけど、道長から見たらギーツこそぶっ潰したい仮面ライダー代表みたいなものだから手を組むのはなかなか難しいのかもしれない。ジャマ神バッファのライダーからのダメージ無効補正はギーツ相手にも健在みたいだけど、ブーストマークⅡのスピードには対応できなさそうで、ベルト狙うとかで割とどうにかなりそうな性能ではある。気になってテレ朝のサイト見てきたけど、スペックは素のバッファと変わらない感じだったし、予告にもあったけどライダー以外には苦戦する展開になりそう。

ケケラは一人だけ慟哭で出番少なかったけど、ここに来て暗躍方面で輝きだした。確かに怪しい造形してたけど、まさかベロバ側の人間だったとは。桜井姉弟の行く末も不穏になってきたな。デザロワで冬映画の回想出てきたけど、カゲロウが景和の中に見た異常性が顔を出すんだろうな、こわ。

姉弟と言えば英寿とツムリにもリンクしてるな。英寿の出生を考えると、この二人が本当に姉弟でもおかしくない。というか仮面ライダーギーツなら何かしらの理屈をつけて実質姉弟ですって展開にできそうだししてきそう。

あと大智くんが急に小物ムーブかましてきた。そろそろ退場か?景和の異常性を引き出すかませ犬になるのか?

 

35話「慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い」脚本:高橋悠也 監督:福沢博文

大智くん普通にバッファにやられてしまったな。どう考えてもバッファを退場させないとどのみちヤバいのに景和への恨みを優先しちゃうあたり、期待を裏切らないクレイジーさを感じる。バッファ退場は自力でコア集めまくればいいという、クイズ王の叡智の真骨頂を見た。そもそもそこまで恨むようなことあっただろうか、初戦敗退が相当屈辱だったらしい。スズメとかいう珍しいモチーフを舌切り雀になぞらえて回収してくるのも見事だった。バッファとのバトルはかっこいい絵面だったけど、執拗にボコられてて面白かった。アルキメデルにコア回収されてたけど、復活しないまでも何か役割はあるんだろうな。

バッファとギーツが手を組みだしたのも熱い。この二強が手を組みだしたら誰にも手が付けられないだろ。英寿の真意を知って関係性がどうなっていくのか気になる。結局最後は化かされちゃうんじゃないのかなという気もするが。

運営サイドはこの二人にどう対抗するのか。ゲイザーはともかく今更パンクジャックが戻ってきてもな。ベロバたちとアルキメデルをうまく使わないと厳しそう。

 

36話「慕情Ⅳ:かりそめの共闘」脚本:高橋悠也 監督:福沢博文

現状バッファ唯一の天敵のアルキメデルが速攻で倒されてしまった。ギーツとバッファを同時に敵に回して生き残れる方が無理があるとは言え、今後バッファを止めれる相手がいなくなってしまった。ベロバが回収したコアからナッジスパロウが復活しそうな雰囲気があるが、なぜ彼はここまででばんに恵まれたのだろうか、面白いけど。

英寿が道長やウィンと気さくにしゃべってるシーンがかなり好き。慟哭編で2000年の転生や母親関連の苦悩が描かれてきたのもあって、英寿が楽しそうにしてるとこっちまでうれしくなる。初期のころからずっと超然としたキャラだったけど、過去が描かれてかなり人間味が出てきた気がする。バッファとの共闘も息があっててカッコよかった。スピードタイプとパワータイプだからお互いの長所が目立っていい。

 

37話「慕情Ⅴ:純白の破壊」脚本:高橋悠也 監督:杉原輝昭

運営は無責任に撤収ムードだし、創世の女神もエネルギー切れそうだしで、景和陣営のやってることが空しく見えてきた。普通に戦力的にも勝ち目ないし、女性陣は無事に脱落できてよかったねと思った。若干人格矯正されるのはちょっと不憫だけど。少なくともバッファやギーツと戦ってる場合じゃないと思うんだよな。

ギーツvsゲイザーは戦力的にはほぼ互角のイメージだけど、冷静さを失うと完封されるくらいの差はあった。最近バッファ無双で麻痺してたけど、やっぱり運営は強い。英寿が感情爆発させてるのを見ると、ギーツも終盤だなって実感する。ブーストマークⅢは静かだけどおぞましくてロマンがある。

ギーツ最強フォームにも期待だけど、ベロバとケケラの仕掛けも気になる。

 

38話「慕情F:九尾の白狐!」脚本:高橋悠也 監督:杉原輝昭

次の創世の女神はツムリだと思わせておいて、実は英寿も母の力を受け継いでいたという「ずらし」。破壊と創造の能力は、無責任にやりたい放題なデザグラや、不幸の上に成り立つ幸せに対するアンチテーゼという風に捉えればいいのかな。母との再会という最大の願いを叶えたうえで、神様みたいな存在になっちゃった英寿が今後何を目指して生きていくのか想像つかない。誰もが幸せになれる世界を作るガチの神様になっちゃうんだろうか。だとしたらこれから何と戦っていくのか、ベロバケケラなのかライダーたちなのか。

ギーツⅨはキツネモチーフだから最後は九尾になるというストレートな発想で好感が持てる。デザインは真っ白でシュッとしててカッコいい、マントを九尾に見立てるアイデアもニクイ。破壊と創造の力で被害をゼロに抑えるところは、ウルトラマンとかに最も必要な能力だと思った。デザグラと違って俺は代償なんて求めないぞという意思の表れでもあるんだろうけどね。久しぶりの最強フォーム専用武器もめでたいけど、先頭だけ見たら全部破壊能力でよくねという気はする。視覚的にも九尾のしっぽとリンクさせててカッコいいし。

 

39話「創世Ⅰ:俺のデザグラ」脚本:高橋悠也 監督:柴﨑貴行

英寿は創世の神になったけど、誰も犠牲にしない代わりにできることには限りがあるし消耗も激しいらしい。母親の償いとは言えかなりきつい役目ではあるけど、ツムリやウィンが味方でいてくれることにはかなり救われてそう。パンクジャックがいまさら復活してどうすんだと最初は思ったけど、英寿の相棒としてかなりいい役回りになってるな。ギーツ陣営の三人の雰囲気かなり好き。デザグラがツムリを狙ってるけど、悲しい結末にならないといいな。

新しい敵は人間に寄生してくるタイプで、強さよりも面倒さに特化した感じ。正直最強フォームになった直後の展開としては物足りないので、もっと強い敵が出てきてほしい。デザグラの残党もゲイザー以上の戦力はないだろうし、ベロバケケラに期待だな。まあ願いでもっと悪だくみしてると思ったら残留してるだけだったから、そこまでの脅威になるかわからないけど。そしてアルキメデルの後を継いだ大智くん。アルキメデルが食われてる現場目撃してるあたりからそうなるんじゃないかとは思ってた。正直眼鏡ないし変なメイクしてるから未来から来た知らない人だと思ってた。やっぱりベロバが回収したコアが関係してるんだろうな。というかナッジスパロウはなんでこんなに出番恵まれてるんだよ。こいつが出番優遇されてるという事実だけで面白い。

 

40話「創世Ⅱ:タイクーン覚醒」脚本:高橋悠也 監督:柴﨑貴行

大智くん特にコア関係なく素で暴れてて草。しれっと普段通り大学?にも通ってるし、あのメイクはマジで何なんだよ。これは参加者の記憶を消さずに残しておいた英寿の責任でもあるな。誰もが幸せになれる世界が初っ端から頓挫してしまった。そりゃ弊害も生まれてくるだろうけど、ここまでやばいことするとは視聴者すら予想できなかったし仕方ない。一介のクイズ王がライブ感で創世の神に勝ってしまうまでに成長するとは。ジャマト態もギーツⅨ相手には圧倒されるとはいえ、そこそこ強い敵が出てきて面白くなりそう。さすがにタイクーンにやられるかな。

沙羅さんマジで死なせるとは思ってなかったし、死なせ方もかなり最悪でベロバの趣味の悪さに説得力が増した。そもそもステージ2が厄介すぎる。見た目がノーマルなジャマトなのも質が悪い。知らずに倒しちゃう役目を道長に背負わせるのもいい。こういうの普通主人公とかにやらせるもんだけど、ベロバの存在もあるからな。景和もようやくターンが回ってきたのでそろそろ2号ライダーとしての格を見せてもらいたい。

 

41話「創世Ⅲ:漆黒の将軍」脚本:高橋悠也 監督:坂本浩一

創世の神の力を手に入れてもうギーツに敵はいないと思っていたが、敵が手段を選ばなくなってきてかつてないほどのピンチに陥っている。デザグラ側もこれまでは現代に干渉し過ぎないように手を抜いていたんだと思うと、この展開も妥当か。ジットも肉体1つで戦うキャラにすることでパワーバランスを崩さないのも賢い。ツムリが敵の手に渡ったら余計に状況が悪化して、クライマックスに向けた盛り上がりができそう。正直ステージ2に対してはギーツⅨの壊して作り直す能力でどうにかしてほしかったし、犠牲になった人も創世の神の力で蘇らせようみたいな話をしてほしかったんだけど、生命に干渉するのはコストが高いのかもしれない。

景和は予告時点ではそっちを恨むのか…って感じあったけど、今回の道長は若干暴走してるから止めるべきではあったかな。景和の元々のキャラクター的にも、いたずらに犠牲を増やすバッファを放ってはおかないだろうし。姉の仇で恨んでる部分もあるだろうけど、事情を知ってなおステージ2を狩り続けることにキレるのは説得力ある。謀略で見せた演技力を発揮してくるのもゾクゾクした。正直化かしに出る前に素直にお願いしてみたらいいんじゃないかって気はする。英寿×ウィンに尊さを感じてるツムリが好きなので、これでツムリが悲惨なことになったら恨むぜ。

道長は沙羅さんを手にかけてもう止まれなくなっちゃったな。英寿たちはツムリの護衛もあるとは言え、道長のメンタルケアを優先するべきだった。もう手遅れとは言え、多数の幸福のために少数を切り捨てて犠牲にするみたいな考え方、ジャマグラの時に非難してた仮面ライダーの姿そのものなんだよなあ。まあジャマ神やってた頃の道長はちょっとカッコよすぎたけど、本来道長って仮面ライダーへの八つ当たりから始まる絶妙にかっこ悪い部分も抱えてるキャラだから、罪悪感で暴走しちゃうのは彼らしくていいと思う。ベロバも同じこと考えてそう。というかジャマ神の力は完全になくなっちゃったのかな。まああれやると話にならないとは言え、せっかくの強化が無かったことになるのはちょっと寂しい。

 

42話「創世Ⅳ:女神完成 闇の刃」脚本:高橋悠也 監督:坂本浩一

今回は戦闘シーンも多くてかなり密度が高いギーツらしい回だった。

道長は前回とどめを刺されたんじゃないかってくらいの引きだったのに、そこからさらにボコられた上にさっそく大智くんに喧嘩を売りに行けるくらいピンピンしてて笑った。ベロバとケケラが仮面ライダーじゃないって設定にするならなおさらジャマ神の力は健在でもよかったんじゃないかという気はするが、影が薄いコマンドバックルが久しぶりに見られてよかった。負けはしたけど、さすがに相手が悪かった。タイマンでも勝てなかっただろ。

景和は完全に化けたな。実力的にギーツⅨ一強だと思ってたけど、創世の力で生み出したバックルという点ではブジンソードも同条件だし、デザイン含めて色々対比があるし、特殊能力とかはないけどギーツと同格の実力を持っているのかもしれない。景和の願いが姉ちゃん一人を蘇らせることじゃなくて犠牲者全員を蘇らせることなのもちょっと意外だった。そもそも沙羅さんはデザイアグランプリの犠牲者判定になるのか微妙なラインなんだが、これで含まれなかったらアホすぎるから多分含まれているんでしょう。景和的には姉ちゃんさえ生き返ったらもう戦う理由はないような気もするんだけど、来週以降の世紀末ゲームで何がしたいのか気になるところ。いずれにしろツムリが不憫だから景和のことは応援できないけど。どうにか元に戻って英寿と良心的なデザグラ運営をしてほしい。

あと大智くんがなぜか生き残ってて笑う。一応全人類の記憶が欲しいっていう願いは一貫してるんだよな。英寿も痛い目見たからさすがにこのまま放っておいたりはしないと思うけど、こいつをどう扱っていくのか気になりすぎる。第2の檀黎斗が生まれるのかもしれない。

 

43話「創世Ⅴ:その名はギャーゴ!」脚本:高橋悠也 監督:杉原輝昭

世紀末ゲームが始まった理由が過去に退場したライダーの中にやばい奴がいて、そいつらがライダーの力で暴れ出したからってことだけど、ちょっと無理がある気がする。世界のルール的に犠牲者全員蘇って何も起きないわけないっていうのはわかるけど、そんな都合よくやばいやつが退場することなんてあるのか?結局ジットやベロバが恣意的にヤバい奴にライダーの力持たせて世紀末を作ったって話かな。それがデザグラ退場者だったのは、景和を曇らせて利用したかったからかな。でもあかりを誘拐した犯人も退場者だったのは流石にやりすぎだと思う。別に一般犯罪者に新しくベルト持たせればそれでいいだろうに。あとバックルもモンスターとか大型のやつ持たせていいんじゃないか。小型バックルだと普通に警察に囲まれたら負けそうなイメージあるし。

しかし大智くんはボコられて病院送りにされてるし、祢音パパの留置所は開放されるし、桜井一家は速攻で亡くなってるし、さすがにそうはならんやろってなる。姉ちゃんからの電話に出たときの景和がめちゃくちゃ元の景和に戻った感じがあって、本当に姉ちゃんあっての景和だったんだなって思った。

祢音はライダーじゃなくなったと思ったら、めちゃくちゃ成長してた。自分の境遇にめちゃくちゃ打ちのめされてたけど、似たような出生の英寿にいい影響を受けてるみたいだ。支えになってた沙羅さんが死んだ時ですらかなり落ち着いてたからな。さすが女神の力で生まれた理想の娘なだけあるわ。鞍馬一家の心もかなりまとまってきたし、来週のナーゴファンタジーが楽しみだ。

あとギーツⅨにもっと無双して欲しい。課金で強化されてるとは言えケケラ一人にてこずってるんじゃないよ。ギャーゴの方が負担大きいのなんでだよ。ゲイザー撃破以降あまりギーツのバトルにスポット当たらないからイマイチパッとしないのよね。

 

44話「創世Ⅵ:ネオン、かがやく」脚本:高橋悠也 監督:杉原輝昭

ナーゴファンタジーが思ってたより強かった。ギーツⅨでも手こずるプレミアムベロバに一方的に勝てるレベルだとは。経緯的に英寿が作ったバックルだろうし、ナーゴとの相性もいいからってことなのか、すり抜けとかいうわかりやすい強能力持ってる。正直ギーツⅨよりも強そうに見える。透過能力の使い方もバリエーションあって見所あったし、ライダーキックも様になっててよかった。祢音の精神的な成長は描かれてたし、タメがあった分強くなるのも納得できる。鞍馬家はちょっと綺麗になりすぎな気もするが、それぞれが一番欲しがってた家族への愛を与え合える関係になれたらいいな。

景和は一回騙されてるんだしそろそろケケラやジットを疑った方がいい。多分自分でもギーツ側に戻った方がいいのはわかってるんだろうけど、既にツムリ誘拐して手を汚しちゃってるから戻りづらいんだろうな。ギーツの創世の力がパワー不足なのは事実だし、道長の主張する沙羅さんが助かる道があるという説も若干根拠が薄いから信用しきれないのもわからんではない。英寿にも道長にも恨みはあるし。ただ祢音の件に関しては完全に道長の言う通りだったからな。まあ来週で決着がつくだろう。

 

45話「創世Ⅶ:願いのゆくえ」脚本:高橋悠也 監督:柴﨑貴行

今更ダパーンが帰ってきてもなと思っていたけど、クソ強いファンタジーの弱点が見えてちょっと面白かった。守る対象がいるとすり抜けできない、まあ盾を作ることもできるから問題ないけど。パワーバランス的に負けはしないけど被害は被るのもいいバランス。

大智くんは別に寄生された人を元に戻せるとは明言してないのに勝手に大丈夫なことになってるのがちょっと気になるな。ここまでイベント作ってるんだから、今更やっぱ無理でしたとは作劇上ならないだろうけど、五十鈴大智ならやりかねないから心配。正直大智をあてにするよりも創世の力で蘇らせた方が確実だと思うんだけど。

ギーツⅨはわざと攻撃受けたとはいえ、ゲイザー以外にロクな戦果上げてないうちに負けちまった。正直印象はかなり悪い。ブジンソード+ブーストが単純に足し算ならまあ強いんだろうけど、ブーストマークⅡの時点でブースト5個分のパワーあるからなあ。まあツムリのパワーも受け取ったんならこれから見せ場もあるか。あと最後景和が切りかかった理由がよくわからないんだけど、まだ対戦続行してるつもりだったのかな。

 

46話「創世Ⅷ:さよなら、ミッチー」脚本:高橋悠也 監督:柴﨑貴行

ギーツⅨの復権に期待していたけど、結局囚われて願い叶える機械になってしまった英寿。創世の神になってから不自由な展開が続く。言うほど何でも叶えられるわけじゃないし、戦ってもそこまで無双できるわけでもないのが微妙だな。元の世界に戻すくらいノーリスクでやれていいだろ。まあ英寿が何でも出来過ぎちゃうと他のキャラがやることなくなっちゃうんだけどさ。

道長は新フォームなかったけど、言われてみればジャマ神の分で権利を前借りしてたのかと納得。プレミアムを使ってればまず負けなかったのに、というかジャマ神に対抗するために怪人態になったものだと思ってたのになぜライダーになってしまったのかというところだが。まあベロバもオタクだし、格下に全力は出さないとか、道長とは仮面ライダーとして対決がしたかったとか、単純にデカいフォーム使いたかったとか考えられないことはない。ケケラに介入させなかったのも同じ理屈でいいだろう。ジャマ神の力がどうなってんのか結局よくわからないんだけど、土壇場になったら引き出せなくもないくらいのところにいるのかな。防御力は期待できないけど、攻撃力には利用できるくらいに考えておく。ナーゴに続いてバッファもいいライダーキックだった。

 

47話「創世Ⅸ:ホンモノの仮面ライダー」脚本:高橋悠也 監督:柴﨑貴行

景和「問題は英寿だな…(償わせないと⋯)」

強いはずだけどあまり活躍の場がなかったギーツⅨがようやく格を見せてくれた。リガドの初変身だし気持ちよく勝てはしないんだろうなという予想を裏切った。ジットの変身キレッキレでカッコ良かったし、加速装置に苦戦してたから負けもあるなと思ったけど、さすがの創世の神。ラスボスの第一形態くらいはしっかりタイマンで倒していく。ジットはスエルの片腕(物理)だった。有刺鉄線をぶち破れたのは割と気合と根性だったけど、景和が見せた人間の力に触発されたってところか。

景和はちょっと大智くんに食われてたところあったけど、あんなに恨んでた大智くんを許して誰もが幸せになれる世界を本気で目指せるようになれたのは成長ですね。正直ブジンソードがあればプレミアムケケラくらいなら勝てるだろうって感じだから、直接対決以外になにかドラマ作らなきゃいけないし。タイクーン以外の仮面ライダー全員消したら、ライダーやめてた大智くんしか頼れなくなるっていうのは力業すぎたけど。つまらない幸せを検証したいみたいな理由が照れ隠しじゃなかったら不安因子だけど、割とほだされて反省してる感じがする。ケケラの泡と舌の攻撃も面白かった。

 

48話「創世Ⅹ:ツムリの鎮魂歌」脚本:高橋悠也 監督:中澤祥次郎

冬映画のMVPギロリがようやく再登場。割と待望してたからうれしいけど、こんな最終回ギリギリになるとは思ってなかった。もうちょっと尺があればグレアに変身して戦ってくれたりしたのかもしれない。まあ確かに元々ライダー同士の争いはご法度だったのに、今回はコンセプトからして終わってるからな。ゲームマスターが監視して無理矢理素人のライダーを戦わせるとか何が面白いのか全然わかんないからな。別に人類全員とかでもないみたいだし、何でここまで人員増員してんのかわからん。ちょっと前から出てきたVIPオーディエンスもなんか下品な小物だし、こんな奴らのご機嫌を取って融合して戦ってるスエルにもちょっとがっかり。こんなデザグラはぶっ壊すべきだと考えるGMがいてもおかしくはない。

ジットはともかくスエルは英寿単独で勝つのは難しいだろうなと思ったけど、割と勝てそうでたまげた。ギーツⅨやっぱりかなり強いな。鞍馬家の助力はあったけど、それがなくても互角の戦いだった。考えてみればすでに一回スエルには勝ってるからな。ギーツⅨの能力をフル活用したアクションシーンも楽しかった。最後ツムリに撃たれたのはどういうアレなのかわからんけど、最終回を楽しみにしておく。それにしても黎明Ⅰとは。流石に安直なループにはならないだろうけど、どういう意味なんだろう。

 

最終話「黎明Ⅰ:ここからがハイライトだ!」脚本:高橋悠也 監督:中澤祥次郎

ギーツらしくトリッキーな構成だけどかなり優等生って感じのいい最終回だった。

冒頭のツムリに撃たれるシーンは結局ただ黒ツムリに洗脳されていただけで、かなり肩透かしな顛末だった。いい最終回だとは言ったが、ここだけはただOP回収したかっただけみたいでがっかりした。結局ギーツはリバースされて負けは確定してたから、誰が殺すかは重要じゃないところではあるが、わざわざスエルが手を加えてツムリにとどめを刺させる意味があんまりないからね。一応考えるならツムリの心折って今後のデザグラに利用したいとか単純に道楽のためとかだろうけど、なんかちゃっちいな。スエルの一部だったジットの手口を考えるとなくはないかもしれないが。個人的にはここらでツムリ自身が英寿に貢献してスエルに一泡吹かせるような展開を期待していた。OP回収という観点で見ても、ツムリ自身の意志で撃ってないと意味がないと思うんだよね。このやり方じゃあまりにもノルマ的すぎる。

世界再編とか主人公が神になって解決とかは過去作でもあった要素だけど、全部解決した後の世界を先に見せるという構成のおかげで新鮮味をもって楽しめた。最初見たときはこうやって最後まで視聴者を化かしに来てるだけで、英寿は生きてるんだろ?って希望を持って考えてたけど、半分間違いって感じだった。神として意識は残ってるわけで、輪廻転生してる英寿としては人間として死んで神になることにそこまで抵抗ないのかもしれないけど、慟哭や慕情編でかなり人間臭い英寿を見てきたから視聴者としてはやるせない。ウィンや道長やツムリたちとも仲良くなれてうれしそうにしていたのも印象的だった。もっと言えば、世界のパーツとして犠牲になるのがミツメから英寿に変わっただけとも見れちゃうからね。まあでも母と再開した時点でやると決めていた割には結構粘っていたわけだし、できればやりたくないしもっとみんなと一緒にいたいとは思ってくれていたんだろう。寄生ジャマトで沙羅さん含めた一般人が大量に犠牲になってたのに様子見してたことも踏まえるとそういうことでしょ。あそこは見てた時も創世の力あんだからもっと頑張れよって思っちゃってたからな、いや責められんけど。劇場版が最終回の続き説が真実ならまた会えるようにもなれる希望もある。スエルの創世の力が人間にしか効かないとか、創世の力持った人間が死んだら神になれるとかはちょっと「そういうもんなの?」という気持ちもあるが、そうなると言われればそうなる気がするし、それなら十分だろう。

ラストバトルは本当にギーツアクションの集大成みたいな構成で大好き。願い続けることに大きな意味があるというテーマを強調してきたところも熱い。世界再編後の設定も同じ意味で熱い。いいテーマ選んだなギーツ。中盤で運営と敵対した辺りで若干影が薄くなった気もするが、やはり創世の力と英寿の輪廻転生のおかげで説得力がすごい。アクションの話に戻ると、最終フォームと基本フォームを両方立たせるなかなか珍しいラストバトルだった。ブジンソードとファンタジーも結構頑張ってたし、スエルにリバースを使わせたジャマ神バッファは流石。そのあとの神マグナムブーストでバイクを使ってくれたのもうれしかった。思えばブーストという特別なアイテムをバイクモチーフにしたのマジで100点満点の設定だったな。基本フォームというよりは序盤の最強装備ってイメージだが、それだけに特別感があって最終回ででてきても盛り上がれた。すごくギーツらしいテクニカルな徒手空拳も見所があった。タイクーン・ナーゴ・バッファの一斉リボルブオンとか、ゾンビブレイカーのダイナミックなチャージとか、ギーツが積み上げてきた特有のアクションが全部入ってて感動してしまった。リバースからの爆炎の中からギーツⅨ登場のシーンも迫力あって見入った。最終フォームに花を持たせてくれるのも単純にうれしいけど、この場面はリバースして敵を過去に戻して弱体化させたろ!ってしたら逆に強化されて出てくるっていうスエル絶望展開として、より効果的にギーツⅨを登場させていた。最後のライダーキックもめちゃくちゃかっこいい。やっぱり仮面ライダーはアクションが大事なんだなと再確認した。

最後に神になった英寿が祀られてる神社の絵馬にみんなの願いが飾られてるのも、テーマに沿っててこれ以上ないくらい妥当なラストで美しかった。願いの内容が十人十色なのも面白い。順当なウィンになんかジャマト愛に目覚めた大智くんに、小さな幸せをかみしめてる道長と対称的に意外と欲が深かった沙羅さん、サプライズでキューンが再登場して既に願い叶えてる祢音、世界平和のために地に足を付けて警察官を目指すと決められるくらい成長した景和。これを見た我々、特に子供たちが願い続ける力を信じて素直に夢を追い続けられるようになってくれたらと期待してしまうくらいにいい最終回だった。

一年間ありがとう仮面ライダーギーツということで、メモリアルバックルが発売されたのを機に、エグゼイドぶりに現行ライダーのベルトを買ってしまった。こんなこともあろうかとメイン4人分のサウンドコアIDだけ買っといて良かったぜ。調べたらブーストマークⅡとレーザーレイズライザーとブーストマークⅨはプレバンで定価で購入できるものだからこれも買ってしまった。やるなバンダイ、最終回駆け込み需要をきちんと理解しているんだな。既にデザイアドライバーは届いたから開封して遊んだけど、ブーストバックルの握り心地最高っすね。冬映画とVシネも楽しみ。